声と言葉とワーキングマザー

司会の仕事、演劇、ITベンチャー勤務で学んだこと、WM生活を発信します。

「ほぼほぼ」を使うセンス

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ある日の夫との会話で、「ほぼほぼ」という言葉を使うことがあるか、使うとしたらどういうときに使うか、という話題になりました。

予定を聞かれたときに「その日はほぼほぼ大丈夫だよ」とか、仕事の場面でも「この案件はほぼほぼ受注になりそうです」とか。
耳にすることは多いけど、自分ではあんまり使わないかなー、でもまったく使わないわけでもなくて、なんとなく「ほぼ」じゃなくて「ほぼほぼ」って言いたいときがあったり、「ほぼほぼ(笑)」みたいなちょっとふざけたニュアンスで使ったりするね。というかんじで、夫とわたしの感覚は一致しました。

「ほぼほぼ」を不快に思う方もけっこういらっしゃるようで、FacebookやTwitterでちょくちょく「耳障りだ」「やめてほしい」という意見を目にします。
新しい表現だと思いますので、すんなり受け入れられる人もいれば、抵抗がある人もいるでしょう。言葉は生き物ですから、許せる許せないというものではなく、それぞれが使いたいように使えば(または使わなければ)いいんじゃないかな、とわたしは思っています。


ただ、このような人によって感じ方が大きく異なる言葉は、「意識的に使う」ことを忘れてはいけないなと思います。

いくら自分が伝えたいニュアンスにぴったりだと思っても、相手がどう感じるかを考えなくては、伝えたいことが伝わらず、余計な印象を与えてしまいます。
「その日はほぼほぼ大丈夫だよ」と言う場合、自分と同じような感覚を持っている相手には詳細なニュアンスや雰囲気が伝わりますが、そうでない相手の場合、ただ予定を伝えるだけの会話で不快感を持たれてしまう可能性があるわけですよね。
独り言でなく会話で使う以上、「言葉」を届ける「相手」を意識しなくてはいけません。TPOをわきまえるという当たり前のことですが、意外と難しいものです。


今、この相手には、「ほぼほぼ」を使ったほうがいい(伝わる、話がスムーズ、盛り上がる…)のか?
それとも「ほぼ」にしておいたほうがいいのか?

「ほぼほぼ」なんて使わないよ、という方も、普段の言葉についてちょっと意識を深めてみるとおもしろいですよ。

言葉のセンスというのでしょうか。
次々現れる新しい言葉を楽しみ、自分はその言葉にどう向き合うか考えることで、感性が磨かれるのかなと思います。