声と言葉とワーキングマザー

司会の仕事、演劇、ITベンチャー勤務で学んだこと、WM生活を発信します。

【すぐに使える】繰り返しの読み聞かせがつらくなくなる方法

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Facebookでこんな記事がシェアされてきました。

conobie.jp


子供にいつも同じ絵本の読み聞かせをせがまれる、何回も繰り返し読むのがつらい、という話題です。わかるわかる!わたしもそうです。

出産前は、わたしは朗読や演劇が好きなので読み聞かせも苦にならないだろうと思っていましたが、とんでもなかったです。最初のうちは楽しいけれど、何度も繰り返し読み、何十分も読み、それが毎日続き…となるとやっぱり飽きてきます。

復職してからは寝る前の2~30分くらいだけになったのでまだいいですが、育休中、物語らしい物語のない0歳児向け絵本を1時間読み続けるのは正直苦行でした。

記事は半年以上前のものですが、こうしてシェアされてきたところを見ると、多くのママパパ共通の悩みなんですね。


記事では繰り返しの読み聞かせが親子にもたらす効果と意義を次のように述べています。

子どもは同じ文章を繰り返し読んでもらうことで、その言葉を母国語として吸収しているのです。

 

朝から晩まで飛び交うのは貧弱なシンプルセンテンス、「早くしなさい」「ちゃんとしなさい」「きちんんとしなさい」と機関銃のように口を酸っぱくして怒っているパパママは「絵本の表現豊かな文章が、自分の足りない部分をカバーしてくれている」と思いましょう。

 

大人から見たら同じことの繰り返しでも、子どもは言葉を吸収し様々な体験をしているのです。繰り返しが苦手な大人にはちょっと苦痛ですが、子どものためだと思って読みましょう。そして、ボロボロになるまで、満足するまで読み聞かせをしてあげたいですね。

 

読み聞かせがいいというのはよく言われますし(1万冊読み聞かせましょうなんて言葉もあるくらい)、親としてはできるだけ子供のリクエストに応えたいものです。

でも、いくら子供のためでもつらいものはつらいんだ!という方には、「子供のため(教育とか、本好きにしたいとか、愛着形成とか)」ではなく、「自分のため」の読み聞かせに切り替えてみることをおすすめします。

絵本の文章を読むとき、自分の表現力を鍛える訓練のつもりで読むのです。

桃太郎のセリフはどんなトーンで喋るとそれらしく聞こえるかな?鬼が島の情景はどんな読み方をすれば恐ろしい雰囲気が出るかな?といったことを考えながら読みます。2回目をリクエストされたら違う方法を探してみます。さっきの桃太郎は高めの声で読んだけど、今度は少し低い声で読んでみよう。鬼が島の情景はたっぷり間をとって読んでみよう…。といった具合です。

朗読としてのクオリティがあがりますので、結果的に子供の反応がいつもよりよくなるかもしれません。でも、あくまで自分の訓練として表現の工夫を重ねます。毎日子供の関係で使う時間が多いからこそ、自分のための読み聞かせだとすることでモチベーションが高まります。

 

自分にそう思い込ませることで乗り切るという話ではなく、実際に訓練としての役割も果たします。情感豊かな読み聞かせをすることは、演劇や朗読をする方に限らずとも、仕事や家庭での日常のコミュニケーションに大きく役立つのです。

なぜなら、我が子相手の読み聞かせではずかしがらず思いっきり表現してみることで、日常の表現力が底上げされるからです。

ふだん特に意識せずに行っている会話というのは、自分で思っている以上に抑揚がないものです。出したことのないトーン、喋ってみたことがないスピードを、無意識の会話で使うことはできません。間をとったり声を低めて読むとどんな雰囲気が出るかは、実際にやってみないとわかりません。

子供向けの読み聞かせのように大げさな喋り方を日常で使うことはないと思うかもしれませんが、ある人の読み聞かせの抑揚を100とするなら、その人の日常会話の抑揚は10くらいです。抑揚100の読み聞かせをし続けることで、日常会話の抑揚は10~50くらいまで使い分けられるようになり、状況に応じた表現の幅が広がるのです。

 

子供のために読み聞かせをしましょうと言われても読み聞かせがつらい、でも読み聞かせをしてあげたい、でもつらい…という板挟みになっている方は、すっぱり「子供のため」をやめましょう。今日からあなたのために読んでください!

会話の表現力はどんな仕事でも必ず役に立つスキルです。あなたのことが大好きで、どんな変な声を出してもつっかえても「まま、へんー!」くらいは言ったとしても喜んで受け止めてくれるお子さんに、訓練に付き合ってもらいましょう。

あなたがお子さんのための読み聞かせに付き合っていると思うのはストレスのもとです。結果的に子供に読み聞かせをし続けてあげられるなら、親子ともにとてもうれしいことじゃないでしょうか。