声と言葉とワーキングマザー

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【すぐに使える】相手の名前を呼ぶといいことばかり

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ラジオパーソナリティーをしていた頃、スタジオには毎日さまざまなゲストさんをお迎えしていました。地域の子供たち、学校の先生、町内会の会長さん、警察官の方、経営者の方、政治家の方…。朝の番組だったにもかかわらず、本当にたくさんの方に出演していただきました。

インタビュー中はゲストさんのお名前を何回も呼びます。「今日のゲストは○○さんです」から始まり、「○○さんは××をなさっているんですよね」「○○さん、それはどういうことですか?」など。

リスナーさんにゲストさんの名前を印象づけるためと、コーナーや番組全体で出演する複数のゲストさんを混乱させないためでした。

 

ところが、名前を呼ぶということにはもうひとつ重要な効果があることを教えていただく機会がありました。

コミュニケーション講師の女性の方をお迎えしたときのことです。わたしはいつものように「今日のゲストは○○さんです。○○さん、おはようございます」という挨拶から始めました。

するとその方は挨拶を返したあと、にっこり笑顔で、「今まさに三木さん(当時は三木でなく旧姓でしたが)がしてくださったように、相手の名前を呼んで挨拶をすることが、コミュニケーションにおいてとても大事なんですよ」とお話ししてくださいました。

 人間がもっとも心地よく感じ興味を引き付けられる言葉は「自分の名前」なんだそうです。コミュニケーションのスタート地点である挨拶の言葉に相手の名前を添えることで好感を与え、その後の会話をスムーズにし良好な関係づくりに効果的だということです。

それ以降、わたしはより意識的にゲストさんのお名前を呼ぶようにし、ラジオ以外の場面でも心がけるようになりました。

 

 

さらに、企業の専属ナレーターとなり初めて一般企業勤務をして気づいたこともあります。上司に話しかけるとき、名前を読んでから話しかける人とそうでない人とでは、コミュニケーションの円滑さが異なります。

一例ですが、
「すみません、午後の会議資料についてお聞きしたいことが…」
と話しかける人は、よく「え?なに?」と聞き返されています。

一方、
「○○さん、午後の会議資料についてお聞きしたいことが…」
と話しかける人は、初めに名前を呼んで注意をひいてから本題に入っているため、スムーズに会話が進んでいます。

オフィスがざわついていたり、話しかけてよさそうなタイミングに思えても上司は他のことを考えている場合があります。はっきり名前を呼ぶことで自分や話にフォーカスしてもらえるのですね。

 

 

思い返すと、名前を呼ぶことの大切さを教えてくれたコミュニケーション講師の方は「今まさに三木さんがしてくださったように、相手の名前を呼んで挨拶をすることが大事なんですよ…」と、しっかりわたしの名前を呼んでから会話を始めていらっしゃいますね。

名前を呼ばれたことも、いきなりほめていただいたことも、うれしかったことを今でも覚えています。もう10年ほど前のことなのに!さすがコミュニケーションの先生、名前を呼ぶと突然ほめるの合わせ技で、わたしの中にずっと好印象を残しています。

名前を呼ぶというのは簡単なことですが、名前を呼ばないコミュニケーションに慣れていると、改めて呼んでみるのは気恥ずかしいかもしれません。
でもそこをちょっとだけ勇気を出して、まずは挨拶や大事な話のときに試してみてください。

ちょっと不自然でも大丈夫!それ以上に相手はうれしく感じるはずです。