声と言葉とワーキングマザー

司会の仕事、演劇、ITベンチャー勤務で学んだこと、WM生活を発信します。

あなたとつながる情報発信

今日は「毎日女性会議」という動画を使った情報発信を学ぶワークショップに参加してきます。

会場は毎日新聞本社ビル。講師は元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さん、元TBSアナウンサーの下村健一さん、毎日新聞社取締役の小川一さん

わたしは育休中だった2年前から参加しています。
これまでに子育て中のママを応援する内容のものなど3本の動画を作成し、堀さんが運営する市民ニュースサイト「8bitNews」にも掲載していただきました。

光栄なことにそのうちの2本は表彰され、特に1年前にはゲスト講師として参加された蓮舫さんがわたしの動画に共感して涙まで流してくださるということがあり、一生忘れられない体験となりました。


「毎日女性会議」での動画作製スキルや情報発信の心構えについての学び、講師のみなさんの貴重なお話、仲間との出会い、どれもかけがえのないものですが、わたしが得たもっとも大きなものは、「わたしは情報発信によって誰かとつながることができる」という確かな手応えです。

わたしはそれまでにも情報発信や表現によって面識のない方とつながる…演劇や司会でお客さまとつながる、ラジオで地域の方とつながる…という経験をしていました。
でも、インターネットで公開した動画でつながることができる人の数は桁違いです。しかも、蓮舫さんのような、遠い遠い存在と思える方ともつながることができました。

このことは強烈な衝撃であり、わたしにとっての発信や表現の意義を一段階大きなものへと変化させ、前へ進めと強く背中を押してくれました。


蓮舫さんに見ていただいた動画は、泣きやまない赤ちゃんを前にして途方にくれる母親をテーマにしたものです。

泣いている原因がわからない。懸命にあやしても泣きやまない。自分はなんてだめなんだろうと押しつぶされそうになってしまう母親の様子と、
もしも過去のそんな自分に一言伝えられるとしたらどんな言葉をかけますか?という先輩ママへのインタビューをまとめた短い動画です。

わたしと蓮舫さんとはあまりに遠いと思っていました。
なんの共通点もないように感じます。
でもそれはわたしの思い違いでした。

わたしと蓮舫さんには「母親である」という大きな共通点がありました。

わたしが動画で表現したかった痛みは、先輩ママである蓮舫さんがかつて経験した痛みでした。
同じ痛みを通してわたしと蓮舫さんはつながり、
その後この動画を現在までに試聴してくださった3700人以上の方ともまたつながることができました。


「毎日女性会議」に通い始めた当初、わたしは育休中でした。
初めての育児、両親は遠方で頼る人もいなく、不安ととまどいばかりの日々。
復職に向けたリハビリ的にクリエイティブな活動をしてみようというのが参加のきっかけでしたが、いざ発信のテーマを考えたとき、自分の中にある強い痛みを無視することができませんでした。
念願の出産、育児でしあわせなはずなのに、どうしてこんなにつらいのだろう。つらいと思うことが、また、つらい。

国際的な問題をテーマにした動画をつくる受講生もいるなか、こんな小さなテーマでいいのだろうかと自信を持てずにいましたが、講師の堀さんや下村さん、小川さんに助けていただいて動画を仕上げました。

その過程を通して得たものは、リハビリどころかその後のわたしの在り方に影響を与えるほどのインパクトがありました。


たとえばあの動画で表現した内容をこのブログに書いても、届けられる人の数やエネルギー量はごく限られています。

動画という形式、「毎日女性会議」という場、講師の堀さんや下村さん、小川さんはじめ毎日新聞のみなさんのお力、どれが欠けても蓮舫さんにも3700人の方にも届けることはできませんでした。

けれど大事なのは、助けていただければこれだけの方に届けられたということです。
わたし1人の力はとても小さいものですが、一方でその小さなわたしの痛みは数えきれないほど多くの方も抱える痛みでした。

わたしの心の中にしまいこんでいる限り、それはただ苦しいだけのものでしたが、かたちにして発信することで、誰かとつながり心を動かします。とても勇気付けられることです。


わたしは自分の感じた痛みをなかったことにはしたくありません。
まだこの世界に生きていたいし、娘はわたしよりずっと長くこの世界に生きていくからです。

発信は、痛みに痛み以上の意味を与えてくれます。


***

最後に、蓮舫さんに見ていただいた動画をご紹介します。

この動画が完成したのは娘が1歳半の頃でした。
育休が終わり復職から半年ほどの慌ただしい中でなんとか作り上げたものです。

動画の中でよちよち歩いている娘はもうすぐ3歳、わたしももうすぐママとして3歳です。

育児に関する痛みはもうずいぶん薄れました。悩みはつきないけれど、以前よりしなやかに受け止められるようになった気がします。

だけど、もとよりわたしは表現し続ける人生を送るつもりでいたけれど、それを動画という新しい形で新しい意味づけをしてくれた「毎日女性会議」で、今日も学んできます。


「毎日女性会議」第6期は先月からスタートしていますが、期の途中から参加することもできるようです。

詳細はこちら。

mainichi.jp

 

会場でお会いできたらうれしいです!