声と言葉とワーキングマザー

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ブコメが燃えてる「DESC法」について現実的に使いこなすポイントを考えてみた

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最近よく聞く「アサーション」と呼ばれるコミュニケーションスキルのひとつとして「DESC法」というのがあるそうです。

 

相手に改善してほしいことがあるときなどに、

1.客観的な事実の描写(Describe)
2.自分の意見の表現(Express)
3.相手にしてもらいたいことの提案(Specify)
4.提案が実行された(されない)ときの結果を伝える(Consequences)

この4ステップを踏むことで、相手に嫌な思いをさせずに自己主張できるというものです。

なるほど、客観的な描写から始めるというのは確かに大事ですね。
多くのミスコミュニケーションは、話し手と聞き手が前提を正しく共有していないことから生まれるものです。

このDESC法のことはこちらの記事で知りました。
ちょうどアサーションについて調べたいなと思っていたところだったので大変興味深く拝見しました。

他人を傷つけずに自分の言いたいことを伝える「DESC法」のすすめ - ITmedia ヘルスケア


ブックマークも1000以上ついていて、みんな興味を持っているんだなあと思ったのですが、
よく見るとブコメはけっこうネガティブ…。

例文がひどい、嫌味に感じる、イラつく、ほとんどケンカ売ってる、などなど。

b.hatena.ne.jp

 

問題の例文というのを元記事から引用しますね。

例えば待ち合わせに連絡がなく相手が遅刻してきて、謝罪等がないシチュエーションがあったとします。こういうとき、イライラして強く言ってしまえば相手が不快になりますし、かといって何も言わなければ自分の中にモヤモヤがたまってストレスになってしまいます。

 こうしたときに、DESC法を使って自己主張をするとこうなります。

D=Describe(描写する)
 →「今日遅れてきたよね」

E=Express(表現する)
 →「遅れてきて連絡もないといつまで待てばいいか分からないし、私は心配になるよ」

S=Specify(提案する)
 →「やっぱり時間通りに来てほしいし、無理そうだったら連絡がほしいな」

C=Consequences (結果を伝える)
 →「時間通りに来てくれれば心配しなくてすむし、遅れるときには連絡をくれると、こっちも安心するよ」

 いかがでしょうか?

 

うーん、関係性によるのでしょうけど、確かにこの例文では手法のよさが伝わりにくいかもしれません。

アメリカで生まれたスキルだそうなので、文化の違いもあるのかな。

 

それじゃあいったいどうすればもっと現実的に使いやすくなるのか?

わたしはアサーティブについての知識はありませんが、インタビュアーや司会などコミュニケーションの仕事の経験から自分なりに考えてみました。


まず、例文はD=Describe(描写する)での主語が「あなた」である点に注目します。

「(あなたは)今日遅れてきたよね」

遅れてきたことは相手もわかっているため、改めて指摘することで「責められた」「咎められた」と感じさせる恐れがあります。

そこで、D=Describe(描写する)での主語を「わたし」にしてみるとどうでしょうか。

「(わたしは)今日30分待ってたよ」

印象が変わりますよね。

ここで感情を入れるとやっぱり責める調子になってしまうので、「30分待った」という客観的な事実だけを述べます。

待ってて不安だったなどの感情は、次のE=Express(表現する)のステップにとっておきましょう。


もう一つ、例文では各ステップで複数のメッセージを伝えています。
日常会話でもプレゼンでも「メッセージを絞る」というのが基本ですので、1ステップ1メッセージにしてみましょう。

例文では「連絡がほしい」という提案をする理由として、
「いつまで待てばいいか分からない」「時間通りに来てほしい」などの「待たされるのが嫌だ」系メッセージと、
「私は心配になるよ」「こっちも安心するよ」などの「あなたが心配だ」系メッセージとが混在しています。

この2つはまったく異なる内容なので、話の軸をブレさせないためには1つに絞ったほうがいいです。

相手のことが嫌いでないなら「あなたが心配だ」系にしぼったほうが無難ですね。「待たされるのが嫌だ」系はとりあえず胸にしまっておきましょうか。

話がすっきりし、一方的にまくしたてるような印象も排除できます。


以上2点をふまえて、わたしなりに作ってみたDESC法例文がこちらです。


D=Describe(描写する)
 →「今日30分待ってたよ」

E=Express(表現する)
 →「何かあったのかと思って心配になったよ」

S=Specify(提案する)
 →「遅れるときは連絡してくれると嬉しいな」

C=Consequences (結果を伝える)
 →「そうすればわたしは安心だよ」


どうでしょう、これなら実際に使えるんじゃないかな?

・D=Describe(描写する)での主語は「わたし」にする
・1ステップ1メッセージとする

ご意見やご感想をコメントなどでいただけたら嬉しいです!

 

DESCのフレームワークはとても有用だと感じたので、わたしなりにいろんな場面で使ってみようと思います。