声と言葉とワーキングマザー

司会の仕事、演劇、ITベンチャー勤務で学んだこと、WM生活を発信します。

子供の集中力がものすごい理由

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眉を寄せて、口をとがらせて、まばたきもせず、真剣な顔で何かに集中して取り組んでいる子供の姿。

かわいいですよね~。

うちの娘も、ねんど遊びをしているときや、クレヨンでお絵かきをしているとき、パジャマのボタンをとめようとがんばっているとき、タンスから洋服をぜんぶ引っ張り出しているときとか(やめてくれー)、すごく集中しています。

周りのことはまったく目に入ってません!という様子を見ると、ほほえましいと同時に、わたしにもあれだけの集中力があればなぁ、と思います。

子供って、どうしてあんなに集中できるのでしょうか?


インプロパフォーマンス(主にゲーム形式で展開される即興の演劇)では、子供の高い集中力の秘密にも通じる、ある大事な考え方があります。


それは、

「今を生きる」

というもの。


わたしたちはいつも「目の前のこと以外のこと」を気にしています。

目の前の仕事をしながら別の仕事の進捗を気にし、ふと明日の業務のことも気になり、帰宅してから作る夕食のメニューを気にしています。

余暇の時間でさえ、テレビを見ながらSNSをチェックし、子供とままごとをしながら洗濯が終わる時間を気にしています。


一方、子供は「目の前のこと」だけを気にしています。

成長するにつれていろんなことが気になるようになっていくのでしょうけれど、うちの2歳の娘くらいなら、まだ本当に文字通り「目の前のこと」しか見えていません。

だからこそ高い集中力を発揮できるんですね。


大人はいろんなやるべきことや責任があるので、「目の前のこと以外のこと」を気にせざるを得ないのですが、

ここぞというときに

「今を生きる」

ことができれば、つまり高い集中力を発揮できるということです。

 

 

インプロパフォーマンスは即興で物語をつくってお客さまに観ていただくものですから、役者は物語の全体像を意識している必要があります。

途中で出てきたアイディアを生かし、伏線を回収し、物語をクライマックスへ進めていきます。

でも、物語の全体を意識するあまり、今演じていることをおろそかにしてしまうと、物語はおもしろくなりません。

「全体」は、「今」の積み重ねでしかないからです。

「今」に集中することができなければ、「全体」もぼやけてしまうのです。

 

わたしがインプロで役者として「今」への集中に取り組んでいて思うのは、「今」に集中するのって、なんだか怖いんです。無防備に飛び込んでいくような感覚で。

「全体」をなんとなーく俯瞰しているほうがラクなんですよね。

でも当然だけどラクをしておもしろい物語はつくれません。やっぱり、「今」をどれだけ真剣に、楽しんで、全力を出せるかが重要なんです。

 

「今」の積み重ねで作られていくのは、演劇の物語も、リアルな人生も同じ。

思い切って「今」に飛び込むことは、毎日をもっと楽しくする鍵なのかもしれません。

一瞬一瞬をせいいっぱい生きている娘のキラキラした瞳が、そう教えてくれているような気がします。

 

だけどいろんなことが気になってそうそう集中できないよ、という方は、インプロパフォーマンスのようにゲーム形式で「今を生きる」感覚を探ってみるのもおすすめです。

役者の訓練としてではなく、趣味や能力開発として提供されるインプロのレッスンもたくさんあります。おもしろいですよ!