噛まずに話すには?
「噛んでしまう」というのは、話し方に関する代表的な悩みのひとつです。
「噛まないようにするには」などで検索すると、滑舌をよくするトレーニングがいろいろヒットしますが、それをやって噛まなくなった人っているのでしょうか。
わたしは「噛まない」ために早口言葉などをするというのはあまりよい方法ではないと思っています。
早口言葉を毎日続けるなんてできますか?
飽きませんか…?(笑)
もちろんプロの喋り手を目指している方は、舌や唇の筋力トレーニングは必要です。
そうでない方でも、トレーニングして悪いことはありません。
でも、時間をかけて地味~にコツコツコツコツ続けて鍛えていくよりも、先におすすめしたいポイントがあるということです。
それは、
「話しながら自分の言葉を聞いて確認する」ことです。
自分がいま何を喋っているか、耳で確認しながら話しましょう。
できれば、自分の後ろにもう1人自分がいて、話している自分を客観的に見ているイメージを持ちます。
自分の斜め後ろに、守護霊のように、もう1人の自分を置いてみてください。
こうすることにより、落ち着いて話すことができ、スピードもゆっくりになり、噛まなくなります。
「噛んでしまう」原因の多くは、
・慌てている
・話すスピードが速すぎる
この2つです。
落ち着いてゆっくり話せば噛まなくなります。
話すスピードって、自分が思っているより、聞き手は速く感じているものです。
つまり、自分では「ゆっくりすぎる」と感じるくらいのスピードが、聞き手には「ちょうどいい」「おだやかでよい」と感じられることが多いんです。
ついでに強調したいところなど適当なタイミングで間もとりましょう。
たっぷり目に間をとって、しっかり息を吸ってから次の言葉を出せば、より噛まなくなるうえにメリハリのついた話し方になります。
やってみると、ゆっくり間をとりつつ喋ることに勇気がいるかもしれませんが、だからこそ、話し方がグレードアップするポイントなのです。
そもそも、「噛む」=「滑舌が悪い(舌や口の動きが悪い)」というのは誤りです。
滑舌の悪さは噛む原因のひとつにすぎません。
そして、「自分は滑舌が悪い」と思っている方のほとんどは、そんなに気にするほど滑舌が悪くないとわたしは思っています。
話を聞きにくくさせるのは滑舌の悪さによる多少の音の不明瞭さよりも、何度も言いよどむこと、すなわち噛むことです。
そして言いよどむ原因の多くは、緊張など精神的なものです。
頭には言葉が浮かんでいるのに口が追いつかないとか、
喋りたいことがあるのに言葉にならないとか、
どちらも滑舌の悪さは関係ないですよね。
落ち着いて、ゆっくり話す。これでずいぶんよくなります。
ちなみに…
アナウンサーや司会、役者など話すプロの方は、「3人目の自分」を置くともいいます。
話している自分(1人目)、話している自分を客観的に見る自分(2人目)、客観的に見ている自分を客観的に見ている自分(3人目)。
3人目はなかなか難しいですが、それくらい、「話している自分を客観的に見る」のは大切だという話なんですね。